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白浜へ・その2

 千倉には、僕らと同じ学部、学科を卒業した、先輩に当たる方が経営するワインバーがあるのだと以前から恵子ちゃんに聞いていた。恵子ちゃんが僕のことを話したら、僕の小説も読んでくださったという。せっかくだからお目にかかろうと、<リブロス>というそのお店を目指して車を走らせたのだ。(→<Cafe Liblos>HPへ 

 開店したばかりの店に入ると、カウンターのなかで温厚そうな男性が迎えてくれた。店主の小宮さんだ。スペイン語で「本」を意味する店名にふさわしく、壁の一面は作り付けの本棚になっており、映画、酒、食べ物に関する書籍がぎっしり詰まっている。 

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(眺めているだけで和んでくる本棚。正面からも撮ったがピンボケだったので割愛)

 小宮さんは図書館司書というユニークな前歴を持っている。ご出身は東京。この地に惚れ込んで移住されたのだという。千倉やその近辺にはそんなふうに移り住んでくる人がたくさんいるそうで、一種の文化的なコミュニティが形作られているみたいだ。 

 GWの前半には、そういう人たちが中心となって「アート・フリーマーケット・イン千倉」という催しが盛大に行われたばかりとのこと。一足遅れで楽しそうなイベントを逃してしまった。その代わり、というか、小宮さんは、そのフリーマーケットにも出品されているイシイタカシ氏というアーティストの直筆画を見せてくれ、素敵な絵葉書を何枚もお土産としてくださった。いい人だ。 

 澁澤龍彥の全集が本棚の一角を占めている小宮さんは、もともとファンタジーがお好きなそうで、最近読んでいる小説をうかがうと、日本ファンタジーノベル大賞出身作家(僕ではありません)の最新作だった。やっぱりいい人だ。 

 僕は運転があるので今回はコーヒーを飲んだが、<リブロス>では非常にリーズナブルな値段でワインを楽しむことができる。同行者は、小宮さんの自家製スモークなどをつまみに、ゆっくりお話をする間にグラスワインを3杯も傾けていた。それもじつに旨そうに。次は絶対お酒を飲まない人の運転で連れてきてもらおうと固く誓い、お店を後にした。

(その3へ続く)

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