日本ファンタジーノベル大賞・授賞式
11月25日、丸の内にあるクラブ関東にて、第20回日本ファンタジーノベル大賞の授賞式およびパーティが開催されました。
東京銀行協会ビルヂングという建物のなかにあるこの施設は、会員しか使用できない場所だそうでして、エスタブリッシュメントの匂いのする、非常に趣のある会場でした。パーティ会場の窓いっぱいに望める夜景も美しい。
このような授賞式に受賞者として出席するのは初めての経験なので、とにかく緊張していました。
登壇されたのは、主催者である読売新聞社と清水建設の役員の方々と、後援者である新潮社の佐藤社長、そして選考委員の先生方。井上ひさしさんと椎名誠さんは欠席されたので、荒俣宏さん、鈴木光司さん、小谷真理さんの御三名でした。
会場は関係者や招待客の皆様でぎっしり埋まっておりました(と記憶してるんだけど、舞い上がっていたので、あんまり定かではない)。そのようななか、受賞者によるスピーチというのがありまして、これを思うと、授賞式の前から生きた心地がしませんでした。軽く一杯ひっかけたかったくらいでしたが、さすがに授賞式は素面で臨まなくてはいけないだろうと思い、我慢。
いざ本番が始まってみると、先にスピーチをされた大賞受賞者の中村弦さんがとても落ち着いていらっしゃるように見えたので、いっそうプレッシャーが高まりました。
何とかやってのけましたが、人前で脚が震えるという経験は初めてでした。おまけに、あろうことか、スピーチの途中でズボンのポケットに入れた携帯電話のヤツが鳴り出しやがりまして……おいおい、マナーモードにしておけよ。死ぬかと思った。
幸い、声がでかかったので、皆さんには聞こえずにすんだようですが。
授賞式が終われば、あとはもうこっちのもんですよ。パーティでも壇上に上がってインタビューを受けるという場面があったんですが、乾杯をすませてアルコールで湿したわが舌は、滑らかを通り越して軽薄の域にまで達していたと思われます。
パーティでは、日頃なかなかお目にかかる機会のない、新潮社の製作部や営業部の方たちや、出版取次会社の方ともお話できたのが、うれしかったです。
パーティの後は、場所を移して、ごく内輪だけの二次会。ここで、歴代受賞者の皆さんとお話をさせてもらうことができました。新人だから何か面白い芸でもやってみせろ、とか、グラス空いてるのが見えねえのか、酒を注がんかい! というような体育会系のノリはまったくなく、皆さん優しく接してくれました。
この賞の受賞者は仲がいい、という話は聞いていましたが、本当にそうで、皆さん快くあたたかな輪のなかに迎え入れてくれ、じんときました。あらためて、この賞をもらえてよかったなあと感じた瞬間です。賞の性格というのは、受賞者によって形作られてゆくものなのだ、ということも腑に落ちました。
選考委員の先生方からも温かいお言葉を頂戴しましたし、あれほどたくさんの人から優しくしてもらった経験は、初めてでした。ひょっとして今夜俺は死ぬのではないか、と心配になったほど。翌朝、二日酔いで目を覚ましたとき、(ベタですが)昨夜の出来事は夢だったのではなかろうか、という感慨を本気で抱きました。
夢ではなかった証拠に、財布のなかから、とある作家さんのサインがしたためられた、二次会の店の箸袋が発見されました。うーん、ヤフオクにでも出品するつもりだったのか。
冗談ではあったと思いますが、箸袋に気さくにサインをしてくださった大先輩も、受賞者の一人。この賞の受賞者は、きっとみんないい人にちがいない。
それにしても、担当編集者であるOさんをはじめ、関係者の皆様には大変お世話になりました。この場を借りて、あらためてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
(おまけ)
上の写真は、受賞の記念品としてリクエストさせていただいた、万年筆です。名入れもお願いしました。本当は、タイトルも入れたかったんですが、さすがに文字数オーバーでした。
この商売をやっていて壁にぶつかったり落ち込んだりしたときは、これを見て元気を出そう、なんて今から思ってるわけです。準備がいいでしょ? 僕もだてに苦労しちゃいませんて。
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